「法」の授業3 落とし物について考えよう編

「法律は難しいけど、こんな授業楽しくってたまらない」

「法律のことを知るのは面白い。前にも少しやったけど、またやりたい!」

「短い時間だったが面白く、将来のためになりそうなので良かった」

このような感想を生徒が書いた授業は、以下のテレビ番組に触発されて作りました。
 
「カバチタレ」フジテレビ系木曜22:00〜
 「生活笑百科」NHK総合土曜12:00〜

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
授業は以下のように進めました。正味20分の授業です。

1 クイズ形式で以下の問題を出し、答えを紙に書かせ、友達と相談させ、
  答えを教師が言います。
  たったのこれだけです。

 
A君がゴミ捨て場の近くを通りかかったところ、
そのゴミ捨て場にきれいなイスが捨ててありました。
A君は前からイスが欲しいと思っていたので、
そのイスを持って帰ろうとしています。
A君はそのイスを自分のものにしてもいいのでしょうか?
悪いのでしょうか?

 →いいのです。
 ゴミ捨て場に捨ててあるということは、もとの持ち主が「もういらない」と意思表示を
 したということです。「民法」では、誰も所有権をもたない場合は、先に自分のものに
 した人が、それを所有物にできると定めています。
(民法239条 無主物の先占)

では持ち主のいない、釣った魚や野生の動物は自分の
ものにしていいのでしょうか?

 →やはりいいのです。
 ただし禁猟(禁漁)区、禁猟(禁漁)期、漁業権、動物保護法もあるので気をつけましょう。

ではでは、持ち主のいない、土地などの不動産はどう
でしょう。海底が爆発して、島ができたとします。
一番早く上陸して自分のものだと主張した人のものに
なるのでしょうか?

 →なりません。
 その島は国のものになっていしまいます。
(民法239条 無主物の先占)


さんが自分の家の庭を掘っていたら、小判が出て
きました。この小判はBさんのものでしょうか?

 →Bさんのものになります。
 ただし落とし物と同じように、警察に届けてから六か月間、誰も自分のものだと名乗り
出てこない場合にBさんのものになります。
(民法241条 埋蔵物の発見)

では、Bさんが自分の家の庭を掘っていたら、大昔の
建物の跡(遺跡)が出てきました。Bさんはこの遺跡を
名所にして入場料をとろうと考えました。大丈夫でしょうか?

 ア 大丈夫です。
 イ 遺跡は自分のものになりますが、入場料はとれません。
 ウ 遺跡はBさんのものではなく、国のものになってしまいます。
 
→ウ遺跡は国のものになってしまいますが、そのかわり遺跡の価値をお金に
  計算した分の報償金を受け取ることができます。

 
 授業の感想を書かせます。(●男、○女)

十人十色トップヘ