6.モーターはここに
 電車のモーターは台車の中にあります。

・つりかけ式

 つりかけ式ではモーターのカバーに車輪の軸受けがあり一体化していて、台車枠には引っ掛けてあるだけです。
この方式ですとモータ側の小歯車と車軸の大歯車がしっかりと噛み合わさりますが、モーターへ車輪の振動が直接伝わってしまいます。

・中空軸平行カルダン式


 そこでモーターを台車枠に取り付けて振動が伝わらないようにしました。しかし、そのままですと車輪がゆれたとき歯車のかみ合わせがうまくいかなくなります。
 それを解消する為に歯車はギアボックスに収められ、ギアとモーターの間に緩衝器を設けることにしました。モーターとその作用物からくる振動を遮断するには中間にシャフトを入れてたわみ継手ではさめば良いのですが、台車の内側はモーターでいっぱいの為シャフトを入れるスペースがありませんでした。
 これを解決したのが中空軸で、つまりモーターの軸がパイプになっていて、モーターの回転力は始めギアと反対側のたわみ継手に伝えられ折り返すようにシャフトがモーターの中を通ってもうひとつのたわみ継手に伝えられる仕組みになっています。
 しかし、この方式はモーターが大型になる(軸がやたらと太い)という欠点があります。

・歯車軸継手カルダン式


 新幹線では線路幅が広いので緩衝器を設けるスペースがありました。その緩衝器は簡単に言うとモータ軸と歯車軸に付いている歯車が内側に歯の付いているパイプの中に入っているものでこの歯車式軸継手によってずれや角度の違いを吸収します。
 最近はモーターが誘導電動機化され小型になったので在来線でもこの方式が使えるようになりました。

※画像はかなりの概念図です。

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