桜に想う |
両国の「江戸東京博物館」に行ったのはもう何年前になるだろう。その時 売店で買ったのがこの手拭いである。「上野寛永寺境内花見の景」と書い てある。 私が九州から上京したのが二十五歳くらいだったと思うが、その頃、花見 といえば上野公園だった。すくなくとも私の周辺は。 それも夜桜・・・。 夜桜といえば・・何が付きますか? そう、お酒!。 適量を忘れた若者が、花より団子とばかりに飲みまくったら?・・・・・ お定まりの喧嘩が始る。恐ろしい光景だった。 私はあれ以来花見が嫌いになった。 去年、長男と京都の嵯峨野を訪ねた。 行きたかった竹林は勿論だが、満開の桜のもと、こんな光景に出会った |
こんな可愛い若い娘さん二人じゃ、人力車を引くお兄さんも力が入ろうと いうもの。 夜、八坂神社から丸山公園の夜桜見物に出かけた。 そこで見た桜の妖しいまでの美しさを、私は忘れる事が出来ない。 ライトアップされて、白く輝くその木肌、拡げた枝の巾はどのくらい あるのだろう。 私は妙な事を連想していた。 歌舞伎の名女形と言われた、(名前は度忘れしたが、)役者である。 白塗りの名女形の女も及ばない毅然とした美しさ、妖しいまでの美しさ それは、闇の中のざわめきも一瞬かき消すほどの妖しさだった。 ≪ねがはくば花の下にて春死なん そのきさらぎの望月の頃≫(西行) ついでだからと足を伸ばして清水寺まで歩いた。 清水の舞台から・・・のあの舞台からライトアップされた下を覗いた? い〜え、覗きません!。私は高所恐怖症!!。欄干に掴まってガタガタ。 でした〜〜。 |