どうしようもない私


(その十六)


“どうしようもない私が歩いている”

自由律句の種田山頭火の良く知られた句ですが、最近の私は
この“どうしようもない私”です。

お盆に入る11日の朝、突然膝の具合がおかしくなり、どう
しようと青くなりました。だってその日は西宮の息子が帰省
してくる日だったのです。すぐさま整形外科に飛んでいきま
したよ。タクシーで。

幸い、軽い変形性膝関節症、つまり軟骨がすり減ってきてい
る為の痛みという診断で、シップ薬を貰いやれやれでした。

14日は、予定通り息子と二人で劇団四季の“マンマミーア”
を汐留まで観に行き、新丸ビルで食事をしてご機嫌な一日で
した。

と、ここまでは大変結構だったのですが、16日に、ある事
情から1時間ほど正座をやむなくされたのです。
これが大失敗でした。正座そのものは苦痛じゃなかったので
すが膝を深く折り曲げること自体、今の私の膝には最悪だっ
たのですね。
関節、それを取り巻く靭帯、筋肉、全部が関連したのでしょ
うけど、腫れて、膝は熱持ち、可哀想な左足でしたよ。
結局二ヶ月経った今、どうやら外を歩く気持ちになりました。

二年目を迎えたホームページをなんとかしなくてはと、気ば
かり焦っても、左足の持って行き場がなくてだらだらと無為
に過ごすばかり。

    だるい足を撫でては今日をかへりみる(山頭火)
    休んでゆかう虫のないてゐるここで(山頭火)

松原泰道さんが、山頭火をとても暖かい眼差しで書かれた
「母を訪ねて山頭火」のなかに、高村光太郎の歌が出てま
いりました。

「たらちねの母は死ねども死にまさずそこにも居るよかし
こにも居るよ」

そうでした、そうでした。
母はそこにも、ここにも居てくれてます。いつも私を励まし
てくれています。私だけじゃない。私の兄のところにも、妹
のところにも。

不肖の娘を気遣っていてくれてる。そうだ!こうはしていら
れない。ごめんね またひと頑張りしよう。

 母よ うどんそなへて わたくしもいただきます(山頭火)

  さて〜、なにをしようか〜〜。(15.10.16記)


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