父の日 |
カレンダーを見ると、「父の日」と小さく書いてある 我が家には、父の日も母の日もない。あるのは老夫婦が ひっそりと暮らしているという事実だけである。 父つまり夫は一家の主であり、我が家は夫を中心にして 動いていた。 夫の了解がなければなにも出来なかった。 典型的なワンマン亭主だったのである。 我が家は、毎日が『父の日』♪だった。 カレンダーに書かれている父の日の意味は、少し違うか も知れない。母の日と同様に、父に感謝するというよう なことなんだろう、多分。 私は何時も思うのだが、「敬老の日」「父の日」そして 「母の日」・・・こう云う日を一年に一日設けて、一体 なんだって云うのだろう。 カーネーションの売上は伸びるだろう。バレンタインデ ーだってそうだ。チョコレートの業界にはこたえられな いものだろう。 母の日が近づくとデパートの服売り場は中高年向きの 製品が溢れている。地味目なものが多いが。 パッケージだけは派手で、リボンをかけ、一様にカー ネーションが付けてある。造花だけど。 我が家も、息子の連れ合いが毎年、父の日、母の日 には何か持ってきてくれていた。 ある日、わが亭主どんの鶴の一声が降りた。 「いろいろ有り難いが、そんなに着きれないから何も持 って来なくてもいいよ」 以来、母の日の私の楽しみも消えた。 最初に私は過去形で書き出した。 歳を重ねた今、お互いにゆったりと暮らしている積もり でいた。まあ、事実、往年とは比較にならない気楽な 毎日だけれど・・・ いやいや、なかなか、どうして、どうして・・ 何十年もの我が関白殿は、相変わらず毎日が・・ ーーーーーー『父の日』♪ーーーーーーなんです。 |