百人一首

(その十六)


世の中よ道こそなけれ思ひ
入る山のおくにも鹿ぞなく
なる 皇太后宮大夫俊成

難がらへば又この頃やしの
ばれむうしと見し世ぞ今は
恋しき  藤原清輔朝臣



夜もすがら物思ふ頃はあけ
やらでねやのひまさへつれ
なかりけり  俊恵法師

那げけとて月やは物をおも
はするかこち顔なるわが涙
かな     西行法師



村雨の露もまだひぬまきの
葉に霧たちのぼる秋の夕暮
寂連法師

難波江のあしのかりねの一
夜ゆえ身をつくしてや恋ひ
わたるべき 皇嘉門院別当



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