墨
百人一首
(その十五)
瀬をはやみ岩にせかるるた
き川のわれても末にあはん
とぞおもふ 崇 徳 院
淡路島かよふちどりの鳴く
声にいく夜ねざめぬ須まの
関守 源 兼 昌
秋風にたなびく雲のたえ間
よりもれ出づる月の影のさ
やけき 左京大夫顕輔
ながからむ心も知らず黒髪
の乱れて今朝はものをこそ
思へ 待賢門院堀川
ほととぎす鳴きつる方をな
がむればただ有明の月ぞ残
れる 後徳大寺左大臣
思ひわびさてもいのちはあ
るものをうきに堪えぬはな
みだなりけり 道因法師
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