百人一首

(その十三)



恨みわびぼさぬ袖だにある
ものを恋にくちなむ名こそ
をしけれ   相  模

もろともにあはれと思へ山
さくら花より外にしる人も
なし   前大僧正行尊



春の夜のゆめばかりなる手
枕にかひなくたゝん名こそ
をしけれ   周防内侍

こころにもあらでうき世に
ながらへば恋しかるべき夜
半の月かな 三 條 院



あらし吹く三室の山のもみ
じ葉は龍田の川のにしきな
りけり    能因法師

淋しさにやどを立ち出でて
ながむればいづこもおなじ
秋の夕暮   良暹法師



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