百人一首

(その十一)



なげきつつひとりぬる夜の
あくるまはいかに久しきも
のとかはしる右大将道綱母

忘れじの行末まではかたけ
ればけふを限りの命ともが
な     儀同三司母



たきの音はたえて久しくな
りぬれど名こそ流れてなほ
聞えけれ  大納言公任

あらざらむこの世の外の思
ひ出に今一度のあふことも
がな     和泉式部



めぐりあひて見しやそれと
もわかぬまに雲かくれにし
よはの月かな 紫 式部

有馬山ゐなの笹原風吹けば
いでそよ人を忘れやはする
       大弐三位



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