月の初めに想う |
十年前にホームページなるものを作った。 怖いもの知らずだった。 手元に写真もなにもない出発で、あるのは七十年の人生の想い出だけ というお粗末なものだった。(それは今も変わりはないが) 取りあえず、私の母という明治女が、何事にも耐え、しかし芯の強い 肚の据わった人間で、尚、アイデアマンででもあったその不思議さを 綴ってみたいと思った。 しかし私は二十二・三歳ごろまでしか両親と暮らしておらず、母の 凄さを肌で感じたのは、母が晩年に入ってからだった。 弟一家と母が大阪から当地に来てから、私は漸く母と行き来できる 状態になったのだ。 それまでは当然私の凄まじい星霜があり、ホームページに何かと書き 始めたら、話は何時の間にか自分の星霜に移ってしまった。 何か載せるとしたら、少しばかり齧った書道や俳句くらいしかない。 というわけで、ホームページを始めた平成十四年から三年間、お見苦し い駄句をぐだぐだと作って載せた。 最近になって、駄句だけど折角作ったものだからパソコンの中だけで なく、ノートにでも書き写しておこうかと思い始めた。 和綴じのノートがあるので、ぼちぼち青墨で書き写している。 発見があった。 それは句を作った時期になにがあったのか、何をどう感じていたのか などが分かってとても面白いことだ。 まだあの頃は私も若かった・・・。(H.24.11.1記) |