月の初めに想う


(88) 十月

徒然草に嵌っている。

といっても、角川文庫の「ビギナーズ・クラシックス 徒然草」という
解り易い、しかもどうやら全文ではない、私にはちょうど良い文庫本だが。

通釈、原文、寸評がある。

「第百七十一段」では、「自己本位を貫けー貝を覆う人の」という通釈が
ある。
寸評に「タイトルの「自己本位」は、自分勝手や利己とは違い自分の足場
をしっかりと固めながら行動する態度をいう」とある。

(これを踏まえた上で)

通釈に以下の言葉があった。

「何事も自分の外に向かってあれこれ求めてはならない。自分に目を向けて
自分が今やるべきことに全力を注げばよいのだ。
清献公の残した言葉に「現在必要なことをしていればよい。予測のつかない
将来を問題にするな」とある。」


私は常々「今日一日の命と思え」とか、「今この時を大切に」などと、先人
の言葉も借りながら生意気なことを言っているのだが。

「今やるべきこと」が何なのかそれすら判然としないまま漫然と日を送って
いる自分が情けない。

(H.24.10.1記)


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