自分史
月の初めに想う


(63)八月


若い人には最早、歴史上の出来事であり、何の日だか
知らない人も居ることだろう。

広島長崎に原爆投下、そして十五日の終戦。

いい歳をした私でさえ、広島長崎の被災の苦しみは
理屈で理解しているだけだが。

戦争の被害は日本中で受けており、数限りない人々が
数限りない種類の苦しみを乗り越えてこの半世紀以上
の歳月を過ごしてきた。

戦後生まれのしかも恵まれた政治家さん達がどれだけ
庶民の苦しみが分っているのか・・・

先日、ひょんなことから可愛らしい下駄を買った。



何年も箪笥に眠っていた、いや、眠っていることを余儀な
くされていた浴衣を普段着に作り変えた。
母が作ってくれていた浴衣だ。

その服を着てこの下駄を履き、玄関から郵便受けまでの間、
小さな花壇の花々に語りかけるひと時、私の心は充実する。
(H.22.8.1記)


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