自分史
月の初めに想う


(61)どうにもならない事は



宇野千代さんの「普段着の生きていく私」という文庫本を
ずっと前に買ったのだが、もう一度読み返してみた。

彼女が八十八歳の頃、週一くらいで毎日新聞に掲載された
エッセイ集のようだ。
米寿にしてあの筆力、流石だと思う。

彼女にはストレスなどというものは無かったらしい。
「何でもストレスを感じないように考えて生活をするのが
上手である」と書いてある。
現役の作家(当時)でもあり、その他にも和服の柄など
を描いたり多忙な生活だったろう。
毎日の生活が充実していて、いつも何かを追っかけるような
気持ちでいると、ストレスを感じる暇がない。・・そうだ。

ははははは♪私のような暇な年寄りはどうしよう(笑)

「嘆いたって、考えたってどうにもならない事」を朝から晩
まで考えて、終には、自分の人生は一体何だったんだろう
なんて、くだらない実に愚かしい気持ちに支配される。
これでは自分でストレスを作り出しているようなものだ。

「どうにもならない事」に心が振り回されていると、体力も
落ちる。体力が落ちると益々悲観的になり、身動きも出来なく
なる。

母親の私がこんな風だと、息子達の心の負担にもなる。
息子達に負担を掛けるなんて、とんでもないことだ。

私は、先ず体力をつけることにした。
少しずつ、少しずつ、無理のない運動を始めた。
二男が指導してくれている。
まだ始めて間がないが、気の所為か、心が軽くなり、体も軽く
なったような気がする。

「どうにもならない事」は、ありのまま受け入れるしかない。
(H.22.6.3記)


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