思いつくままに♪


(37) 花畑ができる




猫の額ほどの前庭に大きな木が何本も植えてあり、花を地植え
しようにも場所がない。
仕方が無いので鉢植えの花を次々に買ってきて玄関前に置いた
りしていたのだが、鉢植えは、水遣りとか日当たりとかちょ
っとでも気を抜くと忽ち萎れたりしてとても可哀想だ。

週に一日来て貰ってるC子さんと相談して、造園の人に
ちょっとスペースを作ってくれないかと言ってみた。
幸い、翌々日には来てくれて、三本と低いサツキを抜き黒土
を入れ飾りの小砂利などを敷いて庭の半分を花畑用に改造し
てくれた。

朝八時に、機械を積んだトラックで男達三人がやってきた。
「奥さ〜ん、清めをするから酒と塩を下さい」
清め??あらそう〜そうよねぇ・・どれ位あればいい?
「少しでいいですよ盃にちょっとあれば・・。植木は生き物
だからねぇ命を断つわけだから・・・」
私は胸を熱くしながら、あたふたと準備をした。

二つのぐい呑みに入った酒と塩は、木とシャベル類、作業員
私そして家の中にいる夫まで、ほんの少しずつ清めた。

抜かれた木に謝りながら、明るくなったスペースに幾つかの
花を植えた。どういう風に何を植えるか、ぼちぼち考え乍ら
増やしていこう。(H.20.6.1記)


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