思いつくままに♪


(33) 貴方の特等席



★おや、蟷螂くん、悠々としてるわね。どこなの此処は。

ハハハ♪私がもう十七・八年お世話になってるクリニック
の入り口よ。高床式だから、階段を上がった所なの。

★あ、そう。で?浮世離れした蟷螂の話でも始まるの?

お務めが終わって雌に食い殺される雄の・あら、違う違う。

この頃ね、夫の歩行が益々怪しくなってきてるの。
ケアマネージャーの方からもう少し家の中でも歩くように
した方がいいって助言があったのよ。

早速、歩行援助器みたいなものを二台レンタルしたってわけ。
一台は庭を歩くように、一台は廊下を歩くようにってね。

★ふ〜〜ん。真面目に歩いてるの?

ところがどっこい!! お天気のいい日に、庭を三往復
したのが二日だけ。嫌々やってたって感じ。
廊下なんて全然見向きもしないわよ。
自分で通販で買った足踏みの器械をきっちり300回踏んだら
ソファに座って任天堂DSでお勉強・・・・・・。

★それじゃ益々弱るわよ〜。

結局ね、庭歩きなんて自分の意思で決めたことじゃないし、
今のままで、自分はなんの不自由もないから、のんびり
自分のペースで居たいんだと思うわ。

足が弱ってきただけではなく、腕の力も落ちてきていると私は
思う。日常生活でも云うに云われぬ様々なことがあり、それに
対処する為にも私は老け込んではいられないのだ。(H.20.2.21記)


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