句、折にふれて

(八)

夜仕事の縄を綯ひゐる修行僧

縄をなうのは時期としてはもう少し後ですが、素足で掌を真っ赤にして
一生懸命、縄を綯う姿は感動的でした。これも修行の一つでしょうか。



庭下駄にひびの入りたる秋の暮

可哀想に、沓脱石の上に一年中置かれっぱなしの下駄です。ご苦労さま



板塀のタールの匂ふ石蕗日和り

板塀の家は珍しくなりました。黒っぽいタール塗りたて!石蕗の花が・・



ちゃんちゃんこ訪へば着せかく母亡くて

母は、寒がりの私に、行けば必ず着せ掛けてくれました。真綿の入った
お手製のちゃんちゃんこでした。・・・・私?駄目、作れません。



金釘の母の文読む小六月

押入れの整理をしてましたら、少し湿った母の手紙が出て来ました。
30年位?もう少し前でしょうか。体に気をつけるようにって書いてあ
りました。・・・たった一通の大事な手紙です。鉛筆書きでした。・・



秋晴れやライン下りの舟傾ぐ

長瀞のライン下りです。水かさが少なくて舟底でガリガリって音がすると
命が縮むようでした。傾ぐ度にわ〜っとどよめきます。



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