俳句


(二十九)


緑蔭に地図覗きゐるシニア達

元気なシニアが増えました。
小さなリュックを背負って・・・えーと、確かこの橋を渡って。


楊梅酒をんなばかりの旅の膳

食前酒にきれいな果実酒が付くと嬉しいものです。
女だけの旅、女学校の同窓会に出なくなって久しいが、他愛
もない話に少女のように笑い転げたりして・・・・・。



病葉にきらめく朝の光かな

朝日が燦燦と差している。瑞々しい緑の葉に混じって病葉
が・・、それでも懸命に生きようとしている。ガンバッテ・。


病院のテレビレシピを梅雨湿り

病院の待合室には必ずテレビが置いてある。料理番組を
やっていた。最近の病院の待合室は比較的に元気そうな
高齢者が多いのだが、それでも、料理番組は些か似合わ
ない。


南天の花咲く下に猫の道

南天の木は、あまりお日さまの照りつける場所には植え
ない。どちらかというと、水っぽい日の当たらないところに
ある。ひっそりと音もなく歩く猫には打ってつけの場所だろう。


蝦夷菊や犬に牽かれて人走る

私は犬の種類は知らない。
小さな可愛い犬を連れて歩いている人が、背の高い
シニアだったり、立派なラッシーみたいな犬を連れている
青年がいたり、元気な柴犬みたいなのに引きずられるよ
うにして息を切らしている中年婦人もいたり、見ている
だけで楽しい。


新聞を取りに小庭へ朝涼し

新聞を取りに早朝玄関を出る。東の空を仰いで深呼吸
する。実に清清しい気分になる。早起きは三文の徳!!


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