俳句


(二十七)


音沙汰の無きまま暮るる端午の日

息子達も、一人前の男として少しは世の中のお役にたっていて
欲しいと、親馬鹿で思っているのだが・・・。
偶には電話ぐらいしなさいよ!


末黒野を分け曲がりいく遊歩道

焼いて黒くなった畑を分けるように、白々と舗道が続いている


パンジーに見詰められゐる立話

三色パンジーは人の顔のようだ。買物に行く時、コンニチハ!
と何時も声を掛けている。




青麦の風目の中を透けゆけり

散歩道に麦畑がある。女性が一人しゃがみ込んで草取りでも
しているのだろうか。青い風が吹き渡ってきた。


アカシヤの花匂ひたつ旅の夜

最近は旅行にもめったに行けなくなった。もっぱらパソコン
の中で出かけて、会話もパソコンの中の世界が殆どだ。


吾が影に立止りたる蜥蜴かな

爬虫類には弱い私だか、何故か蜥蜴は怖くない。美しいとも
思わないが。


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