俳句


(二十五)


ストーブを焚いてバス待つ札所前

坂東17番札所は摩崖仏で有名な大谷観音です。
20年近くも昔に行ったきりなので、その後の様子は
分からないが、多分昔のままだと思う。
素朴な素朴な所だった。休憩を兼ねたお店があったが
風通しの良い座敷で、おでんなどを食べるのはとても
とても心の休まるものだった。


陽当たりし枝に冬鳥丸くなり

いくら羽毛に覆われてるといったって、やっぱり冬は
寒いでしょう。自然に生きるものの知恵か。


命萌ゆ陽はうらうらと硝子越し

障子を開けると、眩いばかりの日差しが長々と伸びて
いた。思わず寝転んで「あ〜暖かい」と呟いた。
太陽は万物の命を育むものだと、しみじみ思った。


春立つや整へられし白き眉

とっくに傘寿を越えられた方だが、奥様が要介護の方
の為、ご自分でスーパーに買い物にいらっしゃる。
先日、立ち話をしていて気がついた。
白い眉が綺麗に刈り整えられていた。立春だった・・。




麗らかやハミングの出る散歩路

春の風邪は長いというけど、一ヶ月もかかった風邪が
ようやく抜けて、じつに気分爽快な日だった。
君に逢う〜嬉しさに〜♪ ぅん?誰に逢うの〜〜〜?


春疾風キィーと飛び立つ小鳥かな

白く砂塵を巻き上げて突風が吹き荒れていた。
鋭い鳴き声で小鳥が飛び立った。何処へ避難したの
かな〜


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