句、折にふれて

(二)

「利かぬ気の鼻にひとすじ天花粉」

       昔は、行水の後、幼子は天花粉で粉だらけになったものです
       最近は、あの粉が良くないそうで、そんな子はみかけなくな
       りましたね。

「そっくりの顔して昼寝父と子が」

       才槌頭までそっくり・・・。

「滝見茶屋滝より団子の幼かな」

       茶屋の緋毛氈もなんとなくしっとり・・・。

「野牡丹やジーパン穿きし子の正座」

       ジーパンの正座、痺れる・・。

「ラムネ飲む男はこどもの顔をして」

       いくつになっても。

「パソコンの中の饒舌蝉しぐれ」

       わたくし。

「炎天下鉛のごとき足運ぶ」

       歳ですねえ。

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