俳句


(十九)


梅雨晴れや干されし藍の少し褪せ

やっとお日さまが出ました。大物を洗わなくては・・・


梅雨最中旧知の友の職を退く

私が最も信頼していた彼女が辞めた。まだ充分に年齢は
あるのに、家庭の事情もあり、止むを得なかった。
一つの時代が終わった。


爪ほどの花にためらひ草引けず

梅雨の雨にたっぷり潤った庭にはあっという間に草が生
える。少し抜こうと手を出すのだが、可愛い花が付いている。
知られた花と、この小さな花と、生命には変わりは無い。


夏雲や一行もなき掲示板

私のホームページの掲示板に何方もお書き込みの無い日。
空を見よう!悠々と浮かぶ白い雲と語ろう。


雷落ちて夫婦の視線交はりぬ

半世紀近くも夫婦をしてると、視線はたいていすれ違う。
雷さんでも落ちないと。“互いに見交わす顔と顔”なんて
言葉・・あったっけ?


揚花火窓に重なる顔二つ

うわ〜きれいだな〜。よく見えるよここ〜。
ぼくも〜。兄と弟が夜空を眺めて・・・・・。


合格の一報梅雨も明けにけり

・・・・・よかった・よかった・・・・・


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