俳句


(十八)


昼顔の咲きて廃屋賑はへり

木造の家は取り壊さないでいると段々潰れていくものなんですね
哀しい風景です。




もう一度会ひたし奈良の袋角

もう随分昔になりますが、奈良の興福寺で大きな薬師如来にお会
いしました。その時に触れた鹿の暖かいお腹が忘れられません。


少年のカラー真白に栗の花

最近の高校生の制服はブレザーのようですが、私の息子達は詰襟
の学生服でした。真っ白なカラーを付けて。多感な少年達が・・。


薫風の運ぶ笑声ソプラノで

屈託のない綺麗な笑い声が聞こえてきます。爽やかな風に乗って。


万緑の大きく傾ぎ天覗く

鬱蒼とした竹林がゆさりゆさりと揺れました。あ〜、ぽっかり空が・・


写真とる足に気になる蟻の群

浅草の時の鐘を写そうとするのですが、大きな蟻があっちにもこっち
にも・・・写真は撮りたし、蟻は怖し・・・。


緑陰の磴に絵を描く人座して

『時の鐘』は空襲にも焼け残ったんだそうですよ。でも鐘楼に登る
ことは禁じられていました。


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