句、折にふれて |
臘梅や仲間外れの子がひとり |
臘梅という花は、俯いたり横を向いたりして咲いています。 私は内向的な性格でして、何かあるとすぐに背を向けて俯く タイプなんです。(嘘つけ!ですって?) |
犬小屋に犬の居るらし冬の雨 |
紙飛行機とばす男の早春賦 |
これはテレビで見たものです。熟年男性が集って紙飛行機を 飛ばしていましたが、ある男性の話に大変感動致しました。 ♪七つボタンは桜に錨♪少年航空兵の時の、南の空に消えた 友に届けと祈りつつ飛ばしている というお話でした。 |
口々に声を掛け合ふ暖かさ |
北関東はやっぱり冷えます。不意に春めいて暖かい日だと、 会う人会う人がみな喜びの挨拶を交わします。 「今日は暖かですね」「ほんと、いい按配ですね。明日は どうでしょうかね」「さあ、どうでしょうかねえ」 |
冴返る稜線白く際立ちて |
日光連山というのでしょうか、くっきりと見えたのです。 男体山がひと際高く其れに連なる山々です。ごつごつと していて、その名の通り男性的な山ですよ。 |
草枕抱へて辿る春の尾根 |
「おい」と声を掛けたが返事がない。軒下から奥を覗くと 煤けた障子が立て切ってある。 向う側は見えない。 五六足の草鞋が淋しそうに庇から吊されて、屈託気にふらり ふらりと揺れる。・・・ご存知「峠の茶屋」がありました。 半世紀も昔の想い出です・・・。 |