片方の手袋ありて空くベンチ
冷たい風の吹く駅のホーム。待合室に飛び込んだものの座席は一杯。
一つだけ空いていました。でもそこは、忘れられた素敵な片方の
手袋の席でした。 |
寒紅を濃いめにつけて決めしこと
私の誕生日は三月三十一日。あと二ヶ月足らずでまたひとつ歳をとり
ます。この歳になりますと、一日一日がとても貴重なんですね。 |
池凍ててすってんころりん鳥転ぶ
テレビを見てましたら、つるつるの池で鳥がすってんころりんと転んだ
のです。驚きました、鳥でも転ぶんですね。あんなに指が開いてるのに
。私も調子に乗ってすって〜んといかないように、心して日々を送りま
しょう。 |
風花や郷社に人の気配なく
わが町の氏神様は、歴史のある由緒正しい神社なんですよ。「ある日あ
る時」にも書きましたが。 何か行事のある時はとても賑やかに、人が
溢れますが普段はしーんとしています。鬱蒼とした杉の大木が並ぶ長い
参道が大好きです。 |
消防のホース跨ぎて注連焼きに
この神社でどんど焼きがありました。厳かに宮司さんの祝詞が上がり、
積み上げられた古いお札やら達磨さんなどに点火されます。燃え上がる
火の手は十メートルくらいでしょうか。消防士が十名くらい詰めていま
した。 |
長靴が蹴飛ばしてゆく春の雪
春の雪は軽いんです。午後下校時の子供たちが賑やかに通ります。一人
で帰る子もいます。黄色い長靴で思い切り雪を蹴飛ばしながら・・・ |
浅春や宇宙に墓標の立ちし朝
スペースシャトル コロンビアの悲劇が報じられました。厳しい訓練に
耐え抜いて選ばれた方達でした。 |
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