句、折にふれて


(十一)

歳晩の商店シャッター閉ぢしまま

最近シャッターを降ろしたままの商店をよく見かけます。弱い立場の人々に
明るい日が差すのは何時でしょうか。



初空へ遮断機の音広がりて

新しい年です!穏やかな元旦でした。喜びも悲しみも、さまざまな思いを乗せ
て電車が通ります。カンカンカン!遮断機の音が響きます。




(パソコン画です)


引退の二文字寂し賀状かな

「高齢のため、今年限りで賀状を引退・・・」こういう言葉がよく聞かれます
歳をとるということがどういうことか、段々分かって参りました。



いつしかに母の味なる雑煮かな

毎年、お雑煮をつくるのが難しくてお正月というと憂鬱だったのですが、なんと
今年は開眼したみたい。うまくいきました!!どうも懐かしい味だなあと、よく
よく考えましたら、母のお雑煮の味でした〜。   この歳になって・・・



乳飲み児の名も書かれゐて箸包

初孫が出来た時、まだ存命していた母の家でのことです。弟の家内の心遣いが
嬉しかった。本当に嬉しかったです。



テーブルを足して太箸並べけり

孫が二人になりました。男の子ばかりです。賑やかな正月三日の夜でした。



四日早や常の顔して子は発ちぬ

暮れから一週間帰省していた長男が帰っていきました。
私の正月も終わりました。



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