盆栽に出会う

(十三)

穏やかないい日和だったので、デジカメを持ってぶらぶら
散歩に出た。
何処に行こうかなんて悩むまでもない。近いところでは
城址公園しかない。



天守閣はなかったらしいが、城があったところである。
堀跡ぐらいしかなかったと思うが、堀も復元され、城址
公園となり、図書館、歴史民族資料館もあり、
コンサート、講演などが催される公民館が建っている。




いくらか紅葉のある風情をときよろきょろしながら歩い
ていたら、あらら、文化祭で菊花展をやっている。
賞を取った菊などを見ていたら、中で盆栽展もやってる
よと言われて、ちょっと見ていこうかと入ってみた。

なにしろ盆栽展なんて初めて見るので、とりあえず端
から見ていたら、初老の男性がすっと寄ってきた。
会員の方のようだったが、丁寧に説明をしてくださる
ので、盆栽の見方がなんとなく分かってきた。



(長寿梅)


この長寿梅は案内してくださった方の作品だった。
苔に覆われた水気を含んだ所をじっと見ていると、
深山幽谷にいるような気がしてくるから不思議だ。



(老爺柿)


なぜ老爺柿というのか不明だが、中国から入ってきた
ものだそうで、そういわれると何となく納得した。



(ハゼ)

紅葉の山などを見ていて、真っ赤に燃えている木を
見るが、それがハゼだと聞いていた。
ハゼは漆かぶれすると言われるが、盆栽を作る人は
かぶれないのだろうか。
このハゼは三色になっていてとても美しい。



(紫 式部)


何故「紫 式部」なんだろう。他の木と同じ目線
では見たくないので、一枝だけ写してみた。
十二単を着て、文机に向かっている式部を想いな
がら。      (16.11.8記)


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