嵐の塩原温泉

(十二)

超大型の台風23号が来るという10月20日に、予約して
あった塩原の温泉に行ってきた。
例によって露天風呂付き客室に入ったものの、風呂場には
枯葉が落ちていて、雨模様の山は暗く、陰鬱な気配だった。


それでも、まだ風も吹いてないし、一風呂浴びようと入った
が、なんだかぬるい!春に来た時、ここは源泉だからという
ことで水でうめながら入ったのに・・。

最近、温泉の湯が問題になっているので、なんだか嫌な気が
したが、この宿はまさかそんなことはあるまいと信じて上が
った。

夫は早速生ビールを飲みながらテレビをつけたが、超大型の
台風は、各地に甚大な被害を齎していて、私達の目はニュース
に釘付けだった。

夕食までまだ時間がある。表には出られないし、部屋から
たった一箇所だけ見える紅葉をズームで写してみた。


意外に季節らしい感じが出ていた。赤が結構綺麗だ。

ラジオで音楽でも聞こうかとスイッチを入れたが雑音ばかり。
台風のせいで電波が乱れていたらしい。
廊下には柔らかいかほりの香が焚かれていた。



食事も終わり、寛いでいた頃から雨風が酷くなってきた。

風の音やら、雨音やら、物凄く激しい流れになっている渓流
の音やら、なんだか分からないけど、まあ、これも思い出に
なるわね等と、なかばやけくそで私は言った。



台風一過とはいかなかったが、まあまあ、穏やかな朝が来た。
しかし、朝風呂はとてもぬるくて入られるものではなかった。
フロントに連絡して調節して貰ったが、どうやら前夜の雨で
水が源泉に入ったということだった。

源泉でもこんなことが起きるとは知らなかった。(16.10.25記)


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