私の富士山
(その三)


     この富士山は、私が描きましたパソコン画ですが、ちょっと
    訳ありでございまして・・・・・

     今年の四月始めに、念願の京都嵯峨野へ参りましたが、その車中
    での事です。

     私の両親と、去年の十二月に急逝した弟が、富士山の麓の霊園に
    眠っております。

    真っ青に晴れ上がった空に、富士山が見え隠れし始めましたので、
    デシカメを構えて、なんとか邪魔の入らない綺麗な写真を撮りたい
    と狙っていました。

    車窓から写真を撮るのは難しいものですね・・パチリ、パチリ・・
    まっ、いいか・・・・。

    お弁当を開いて食べ始めた時です。

         えぇっ!!
    窓越しに覗いているじゃありませんか!
        富士山です!!
    父と母と弟が、私に会いにきて呉れてたんですネエ。

    私は、夢中でシャッターを押しました。
    涙が溢れて、そのあとのお弁当の味はもう分かりません。
    幸いにも、まわりに乗客もなく、私はひとり思い切り泣きました。
         嬉しかった!。

    「女に生まれて」の下に載せました写真は、あの日の私です。


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