こみっくパーティー!! SS

あの娘の憂鬱 こみパ番外編



「はいは〜い!! 猪名川 由宇です〜」
「……で、俺はなんなんだ?」
「ノリ悪いなぁ〜、和樹! 今日は七夕やろ?」
「あぁ、将棋とか、脱衣麻雀とかで有名なゲーム会社だっけ?」
「それはセタやろ!? 文字でしかわからんようなネタは次からしばくで?!」
「というより、俺達、文字でしか話せないんだけど……」

 ばきっ!!

「ぐはっ!!」
「男はこまいこといちいち気にせんでええ!!」
 ぐっ……ここは我慢……。
 
 どかっ!!

「何しーんとしとんねん!! 気色悪!!」
「あたた……で、七夕がどうしたって?」
「アホ! 七夕といえば、短冊に願いを書いて、笹につける、と相場が決まっとるやないか!!」
「織り姫と彦星の話とかもあるけど?」
「ちっちっちっ……甘いで、和樹! 古今東西、今日だけは賽銭使わなくても願い事が叶うっちゅう日を、見逃してどないすんねん?」
「……(さすが、っていうか……)」

 ……………

「和樹は何書いた?」
「『前期の試験がすべてパスできますように』」
「なんやそれ?!」
「いや……実は出席が足りているかどうかわからないのが、結構多くて……、で。由宇は何を書いたんだ?!」
「へっ!? い、いや、その……」
「俺のだけ見ておいて、由宇のを見せない、ってことはないよな?」

 どごっ!

「ぐわっ!!」
「男がそんなちまちましたこと気にしてどないすんねん!! タマついとんのやろ!?」
(タマは関係ないと思うんだが……)

 どげっ!!

「ぐをっ!!」
「ウチの悪口、考えたやろ!?」
(するどい……)


 …………

「んっ、これでええ! ほんなら、かざろか?」
 とりあえず、ベランダのところに飾ることにしようか……。
「………これでいいか?」

 すると由宇はきわめて真剣な顔で柏手を打つ。

「織姫はん、彦星はん! お願いしますわ!!」
 何を書いたんだ……ええっと……
『今回こそ、”ベテラン同人作家”になれますように』
「…………」

 ばきいっ!!

「和樹!! 見、見たなああああああああああああああああっ!!」
「ひいいいいいいいいいいいいっ!! す、すまぁぁぁぁぁん!!」

 どがぁっ!! べきぃっ!! ばこおっ!!

 ………で、気がついたら8日になっていた。

2000年版も見てみる?

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