藤井 武(TBMプロデューサー)

山本剛の新作がFIMから出たいきさつ

 

 山本剛トリオの最新録音盤「オ{タム・イン・シアトル」は、オーディオファイル・レ

ーベルとしてその世界では有名なFIMの新作として、私がレコーディング・ディレクター

を務めたアルバムです。                     

FIMのウィンストン・マー社長とは、既に20年を超える取引を続け、友人としても親し

くつきあってきました。以前は香港でゴールデン・ストリングスというレーベルを制作し

ていましたが、1997年からシアトルに本拠を移しFIMレーベルを立ちあげ24bitHDCD,

XRCD,SACDといった最先端技術による音の良いアルバムをリリースしてきています。

 彼は、TBMの諸作を通して、細川綾子、中本マリ、山本剛の熱心なファンとなったので

す。山本剛でいえば「ガール・トーク」の(追憶)「ミッドナイト・シュガー」の(アイ

ム・ア・フール・トウ・ウォント・ユー)、「ミステイ」のタイトル曲を絶賛して、何年

も前からFIMで山本剛の新作を出したいとの相談を受けていました。昨年末頃からようや

く具体的な打合せを始め、今年(2001年)4月に録音の運びとなった所です。

 私がディレクターを務めましたが、FIMの制作ですから、当然ウィンストンの希望する

レパ-トリ-を入れて、全体の音作りも熱烈なジャズ・ファンだけでなく、広くオーディ

オファイル層にも楽しんでもらえるように誰でも知っている映画音楽を中心とした曲目を

選びました。TBMの制作とは−味違った山本剛の華麗にスイングする演奏と、

バラードは甘く切なく、ツヨシの歌心を100%発揮できるようにしたつもりです。

 「TBMの山本剛に駄作なし」との高い評価を多くのファンの方々から頂いて20有年。

私が山本剛のレコーディングを行うのは、実に22年振りのことです.是非お聴き下さい。

 

 以下は、TBMの山本剛のアルバムです.

 1.「ミッドナイト・シュガー」(74年3月)TBM−XR−0023

 2.「ミステイ」(74年8月)TBM−XR−0030

 3.「ライヴ・アツト・ミステイ」(74年12月)TBM−XR−0037

 4.「ブルース・フオー・ティー」(74年12月)TBM−XR−0041

 5.「ジ・イン・クラウド」(74年12月)CD化に際し、0037と0041に収録

 6.「ガール・卜一ク」(75年12月)TBM−XR−0059

 7.「サマータイム」(76年5月)TBM−CD−1869

 8.「スターダスト」(77年8月)TBM−CD−3009

 9.「ミッドナイト・サン」(78年6月)TBM−XR−5009

10.「ライヴ・イン・モントルー」(79年7月)TBM−CD−1819