- 1 - 先ず隗より始めよ(まずかいよりはじめよ)

  燕(えん)の国の昭王(しょうおう)は強い国を作りたくて、よい方法はないかと郭隗(かくかい)という者に相談しました。
- 2 - 先ず隗より始めよ(まずかいよりはじめよ)

 郭隗が言いました。
「昔、ある君主がよい馬を探していました。何年たってもなかなか見つからなくて困っているところに、ある男が、よい馬を探してくると申し出てきたので大金を与えました。
 その男はすばらしい馬を見つけましたが、すでに死んでいました。ところが男はその死んだ馬の骨を大金を出して……
- 3 - 先ず隗より始めよ(まずかいよりはじめよ)

 死んだ馬の骨を大金を出して買ってきました。君主は男を怒りましたが、実は男には、『死んだ馬にさえ、あんなに大金を払うのだから生きている名馬ならもっとすごいお金がもらえるだろう、と評判がたつはずだ』という考えがあったのです。

 それから1年もしないうちに、すばらしい名馬が数頭手に入りました。
- 4 - 先ず隗より始めよ(まずかいよりはじめよ)

 もし昭王が本気ですぐれた人材を集めたいのならまず私のような何の取り柄もない人間を大切に扱うことから始めてください。
 あの隗のような人間でさえ優遇(ゆうぐう)されると評判が立てば、もっとすぐれた人間が道のりを遠いとも思わずぞくぞくと集まってくるはずです。」
 しばらくすると、有能な人材がたくさん集まり燕の国は大いに発展しました。
- 5 - 先ず隗より始めよ(まずかいよりはじめよ)

 以上の話から、事を始めるには、人にあれこれ言う前に、自分が積極的にやり出すべきだいう意味の「先ず隗より始めよ」が生まれました。




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