母の思い

         反抗期になり、親のありがたみが薄れてきている生徒に
       子どもとして生まれたことが、すばらしいと気づかせる授業


 子どもは、成長とともに親と距離をとるようになります。その自立ともに
親への感謝の気持ちも少なくなってきます。お互いの存在自体が「当たり前」
になるからです。しかし、親にとっては子どもが生まれたこと自体幸せなの
です。そういう親の思いを知ることによって、自分の生命誕生のすばらしさ、
意義を知ることになります。思春期だからこそ、普段は親と距離をとってい
るからこそ、伝えたいメッセージなのです。

●ねらい
 親にとっては、子どもの存在自体を感謝しているいうことを知り、
自分自身の命のすばらしさについて考える。

●準備
野口英世の母の手紙
猪苗代町絆づくり実行委員会『母からの手紙』(幻冬舎)

●授業の実際
1.(野口英世の母の手紙の一部を見せる)
  この文を書いた人は何歳くらいでしょうか。

■ 興味を持たせる発問である。考えるための情報が、少ないので
 当てずっぽうで答えさせる。
 2歳から80歳代までいろいろと答えが分かれた。
 野口英世とその母について簡単に説明する。

2.次の文は、ある手紙の一部分ですが、手紙の相手は誰でしょ
 うか。そして手紙の相手は今、何をしているでしょうか。

 A〜Eの文章の一部の所だけを抜き出したプリントを配り、考え
させる。
 考えるための情報が少なく、またはないものもあるので、気楽に
当てずっぽうでよい。
A あたたかな夢
B 優しい味
C 夕焼け
D 二人三脚
E 会いたい
 A〜Eの全文が載っているプリントを配布し、教師が読む。

3.5つの手紙に共通していることは何ですか。
■子どもが生まれたことに感謝していることに気づかせる発問である。
 難しい発問だった。ほとんどの生徒が悩み、答えがすぐには書けて
いなかった。「母親から子どもへの手紙だけども、これが答えではな
いです。」と言うと、「え〜」という驚きの声が起こった。

4.みんなの親は、なぜ親なのでしょうか。
■一応の確認問題。自分(生徒)がいるから親なのだということを確
 認した。

 感想を書かせて終わりにした。