(8)H.22.7月
いつのまにか早寝の習慣が身についた
夜中に目が覚めて
愚にもつかないことが頭の中を
堂々巡りする
ラジオをつけてみよう
沖縄の歌が流れてる
のんびりとした静かな歌声だ
潜めた音に私の心は癒され
いつかとろとろと眠りに落ちた
(H.22.7.25)
「どう?似合う?あの浴衣よ♪」
母の写真の前で私はくるくると回って見せた
「ロングスカートとブラウスにしたの。これなら
何時でも着られるでしょ?涼しいしイ。」
「長いこと着られなくてごめんね」
とても良い柄があったからと
母が縫ってくれた菖蒲の浴衣
爾来三十年
多忙の私はついに着て見せることも
できなかった
藍の匂いは母の匂いだ
(H.22.7.28)
次へ→
トップへ戻る