俳句


(二十一)


いづこにも子らの声なしえのこ草

昔の子供はねこじゃらし等で無邪気に遊んだものです
最近は下校時くらいしかお子さんの姿を見なくなりました。


借り物に祖母もひと役運動会

私は物理的に無理なので、孫の運動会に行ったことはあり
ませんが、楽しいでしょうね。


蛸壺のたこ足を出す良夜かな



佃煮のいなごに箸をつけられず

いなごが食べられるなんて知りませんでした。海老の佃煮に
似てますね。お店でもあまり見なくなりましたけど、これは
蝗に住み難い田んぼになったということでしょうかね。


秋耕や踏みにじりゆく煙草の火

熱いお茶を飲み、一服して“さあ、やるか”と立ち上がり。


野菊風埴輪の口の暗く開く

埴輪の口はどうしてあんなに開いているのでしようね


風の盆気配が通る真夜の路地

咽び泣く胡弓の音の他は何も聞こえない、この世のもの
とも思えない、ただ気配だけが通り抜けていくそんな世界
に身を置いてみたい。


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