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折々の呟き

(十九)


【 2004・8・1 】

今年もまた八月がやってきた。蝉が鳴いている。抜け殻が大きい
から熊蝉だと思う。
蝉は、あまり気温が高いと鳴かないみたいで、人間と一緒に
ぐったりしてたのかな?

今月は6日、9日、そして15日と忘れられない日が続く。

地上に出てからの、儚い蝉の命を思いながら、この蝉時雨の
中にいると、もっと鳴け、思い切って鳴け、命ある限り精一杯
鳴きなさいと応援したくなる。

それは、この蝉達が、若くして散って逝った兵士の声のように
思えてならないからだ。



【 8・ 15 】

今日は59回目の敗戦記念日だ。いや、終戦記念日か。
来年は、終戦の年に生まれた人が還暦を迎える・・・・・・
少女だった私も、いよいよ高齢者の部類に入る・・・・・・

世の中は目まぐるしく変化し、進化してきている。

戦争で、自国民も多大の犠牲者を出したが、アジアの国々にも
迷惑を及ぼし、多くの人々に犠牲を強いてきた。
加害者でもあったことを忘れてはいけないと思う。

しかし、この日を境にして、日本は全く別の道を歩き出した。
世界に広く目を向けるようになったし、ということは、世界を
よく知り、いろいろな分野で目覚しい進歩を遂げている。

これから先、地球人はどう変わっていくのだろうか。



【 8・ 17 】

新聞、テレビは連日オリンピックを報道している。

柔道の谷亮子選手、野村選手の金メダルには本当に感動した。
谷選手は足首を、野村選手は脇腹を、それぞれ痛めていなが
らの快挙である。

きりっと引き締まった表情で、真っ直ぐ前方を見て試合場に
向かって歩くさまに、我が茶の間にもピンとした空気が流れ
た。
切れのいい技の野村、絶対に勝つ!という気迫の谷。
美しい柔道だった。

他の国の柔道は、なんだかレスリングのようだったり、
あれっ?柔道ってこんな感じだったかなとなんとなく感じて
しまうようなのだったりで、どうも今ひとつなんだけど。

柔道は、やはり日本の武道だった。
この二人の柔道を見ていて、感動すると同時に安心した。

私の兄が、旧制高等学校時代に柔道部のバンカラだった所為
もあり、私にとって柔道には些かの思い入れがあるようだ。



【 8・ 30 】

オリンピックが終わった。
参加することに意義があるといわれていたオリンピックだが
やはりそうもいかないらしく、みんな国旗を背負って、
メダル獲得に悲喜こもごもの涙を流していた。

日本の選手はよくやったと思う。アテネを目指して日々努力
を積み重ねてきた成果で、沢山のメダルを取れたようだ。

ハンマー投げの室伏選手が最後になって銀から金に昇格した。
金の選手のドーピンク問題で相手方は金メダルを剥奪され
銀メダルの室伏選手が昇格したというわけだ。

お国柄によっては、金メダルを取れば、一生食べていける
だけの褒賞金が出るということも聞いた。
その為に、体に悪いドーピングをしてでも金を狙うのだろう
が、悲しい話だ。

ギリシャといえば、美しいギリシャ神話しか知らない私。
問題の多かった今回のオリンピックは、私の抱いていた
ギリシャのイメージとは大分ずれがあったようだ。


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