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一時期俳句がブームになり、本屋に行くと「俳句の作り方」など沢山
あったものだ。基本は同じだけれど俳人それぞれの作品は微妙に違って
おり、どう学べばよいのか困る位だった。
つい先日、思うところがあって比較的大きな本屋で俳句の本を探した。
名のある書店ならこんなことは無かったかもしれないが、俳句に関する
本が非常に少なくてこれは一体どうしたことかと驚き慌てた。
おや?金子兜太さんの本がある・・。
現代俳句・前衛俳句・・嘗て、非常に難解な句を作る人というイメージ
で敬遠していた俳人だったので、どうしようかと躊躇ったが他に買いた
い本が無かったので買うことにした。
表紙の帯の言葉がまた良い!!
「九十二歳。毎朝、新鮮な空気を胸深く吸い込んで、想像力を膨らませる。
ゆっくり「ことば」を練り上げてゆく。若がえりの道、俳句とともにあり。
俳句と暮らす。俳句と遊ぶ。老年はもっと豊かに味わい深くなる。
日本語はおもしろい!」
私は、種田山頭火が好きで、己を曝け出した哀愁のある句に涙したもの
でした。 母よ うどんそなへて わたくしもいただきます(山頭火)
休んでゆこう虫のないているここで(山頭火)
金子兜太さんの、折節漢語も入るその文章の流れの心地よさ。他の俳人
の句とそれに伴う兜太さんならではの内容豊富な文が付いている。
人間に拘って俳句を作ってきたと仰る兜太さんの句だが、哀しい山頭火
とは違う力強さに私はぐいぐい引き込まれている。
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(H.23.10.23記)
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