Leaf お約束劇場

あの娘の憂鬱 雫編


新城沙織編

そのいち。

「い、嫌………」
「ど、どうしたの沙織ちゃん!?」
「で、電波は、嫌あああああああっ!!」
「え!? どこに電波が!?」
 PM5:00。確かにもっとも電波が飛び交う時間帯ではある。

「もしもしぃ、志保ぉ?」

「携帯電話…?」
「嫌ああああああああああっ!!」
 …ほんとか?

そのに。

「い、嫌………」
「ど、どうしたの沙織ちゃん!?」
「お、オバケは嫌あああああああっ!!」
「え? どこにオバケが?」
 怯えながらも指さす方向を見る祐介。
 そこには、確かに全身が真っ白で毛が三本、おまけに厚唇のオバケがいた。
「きゅうたろう…?」
「嫌あああああああああああああっ!!」
 …さすがに嘘だろ?

藍原瑞穂編

其の一。

「どうして私は、沙織さんや瑠璃子さんと比べて、いまいち目立たないのかしら……?」
 そんなことをつぶやいていると、茂みの中からなにかががいきなり飛び出した!!
「それはっ!」
「きゃあっ!! ゆ、祐介さん、いつからそこに!?」
「瑞穂ちゃんだけ、僕と合意の上でのラヴシーンがないからさぁ!!(祐介壊れ気味)」
「え?」
「ということで、今からしようか!」
「ええっ!?」
「いただきまーす!」
「ち、ちょっと待ってください!! きゃああっ!!」
 すっ、と祐介の後ろに立つ一人の少女!!
「こぉの…けだものぉ!!」
 ごわいぃぃぃぃぃぃん!!と鈍い音があたりに響く!!
「ぐっ…後ろから…消火器で攻撃なんて……」
 ばたっ。
 悪が倒れたことを確認した後、香奈子に飛び込む瑞穂。
「わあああああああああああああああああああん! 香奈子ちゃぁん」
「ふっ…瑞穂にして良いのは、私だけ……」
「はい?」
「じゃあ、いただくわ…瑞穂」
「きゃあああっ!!」

 無理矢理終わるっ!

其の二。

「やっぱり、沙織ちゃんや瑠璃子さんと比べて、胸がないこととか…かしら? そうでなくても眼鏡なんか掛けているし…」
 そんなことをつぶやいていると、茂みの中からなにかががいきなり飛び出した!!
「それは違うぞ! 瑞穂ちゃん!!」
「あ、祐介さん」
「……少しは驚いてよ」
「わあ、びっくりしました、…はい、少し」
「……………」
 男一匹男泣き。

 ――あいきゃっちがあるとおもいましょう――

「……で、何が違うんですか?」
「世の中には、ツルペタじゃないと萌えない! とか、眼鏡っ娘ラヴ〜!! さらに、たれ目最高!! なんてのは、思った以上にたくさん存在する(当方比)!! 顔も可愛いし、性格も問題ない。それらを兼ね備えている瑞穂ちゃんは、外見や内面は全然問題なあぃっ!」
「では、どうして?」
「瑞穂ちゃんだけ、僕と合意の上でのラヴシーンがないからさぁ!!」
 またそれかい。
 そんなことを思いながら、所詮自分しか信じられないと思う、今日この頃の瑞穂だった。

月島瑠璃子編

そにょいち。

「迷っちゃったね」
「う〜ん、どこに行っても特徴がない木だらけだ…」
「森の中なんだから当たり前だよ、長瀬ちゃん。それとも説明、なのかな、くすくす」
「……、そ、それはそうなんだけど」
「ちょっと待ってね。お兄ちゃんに助けに来てもらうから」
 そうすると、助けを求める電波を送りだした。
 おそらくタイ○ニックと同様、SOS、だろう。
 どどどどどどどどど…!
「瑠璃子ぉ!! どこだぁ!?」
「お兄ちゃん、ここだよ」
「なっ!? さすが瑠璃子さんのことだと早い!!」

……

「……月島さん」
「い、いや、瑠璃子のことになると、ちょっと、冷静さを失ってしまうのでね、ははは…」
「お兄ちゃんの…馬鹿」
「る、瑠璃子ぉ〜、許してくれっ…」

 結局、迷った人数が3人になっただけだった。
 しかも、電波使いがもう弾切れである。つまり連絡手段が無くなってしまったのだ。
 この後どうなったか…作者も知らない(をひ)。

そにょに。

「晴れた日は良くとどくから」
「え? なにが?」
「出前」
「は?」
「雨が降るとね、来てくれないの」
 そうこう言っていると、おなじみの服装をしたラーメンやさんが入ってきた。
「へい、ラーメンお待ちっ!」
「ここのラーメン、おいしいよ。長瀬ちゃんも一緒に食べる?」
「ニンニクラーメン、チャーシュー抜き、じゃないよね?」
「そんなネタ、殆どの人には通じないと思うよ、長瀬ちゃん…」
 ……タイトルはあの娘の憂鬱なのに、僕が憂鬱になってどうする?
 そう思わずにはいられない祐介だった。
  
太田香奈子編

しょのいちより。

「長瀬君」
「え? なに? 太田さん」
「拓也さんと同じ事…出来るんだよね?」
「と、突然、なんで、そんなことを?!」
「お願いがあるんだけど…」
「え?」
「私のあの感度だけを、2倍に上げてくれないかな?」
「は?」
「簡単にいえば、拓也さん……、身体のわりに小さくて早いのよ」
 ふう、とため息ひとつ入れる香奈子。
「…」
「拓也さんは力封印しちゃったし…だから、ちょっとたまり気味で…って?」
 すでに、祐介の姿はなかった。
「ど、どおして?!」
 どうしてってそりゃあ…、ねえ?

しょのに。

「瑞穂」
「なに? 香奈子ちゃん」
「私たち、仲が良いよね」
「? どうしたの? 突然そんなことを言い出すなんて?」
「美和子と由紀、私と瑞穂、どっちが早いか、美和子とヤックかけたの」
「???? 何? 何が早いって?」
「それはね…、フフフ…」
 そのとき、ばたんと勢い良く生徒会室の扉が開く!
 そしてそこには、怪しく含み笑いをする由紀が立っていた。
 そして香奈子を指さし叫ぶ!
「へへっ、香奈子、私、もう美和子から奪ったよ!!」
 ちっ、と舌打ちする香奈子。
「ねえ、由紀ちゃん、何を奪ったの?」
「そんなの決まっているじゃない!」
 そう言うと由紀は口に人差し指を当てて軽くウインクする。
「く・ち・び・る☆」
 それ言っちゃう!? という顔をする香奈子。
「………………あれ? 私、なんか悪いこと言ったかな?」
「………………」
 瑞穂も一瞬の沈黙した、が…
「わ、わ、わ、私はノーマルよおおおおおおおおおおっ!」
 大声で叫びながら、生徒会室から出ていく。
「……ふう、インスタントコーヒーがおいしい…」
「香奈子、それ、粉しか入ってない…」
動揺しまくっている香奈子であった…。

桂木美和子&吉田由紀編

そのいちだってば。

「ねえ、由紀ちゃん」
「なに?」
「私たち、だれ? って言われないよね?」
「うん! 少なくとも、東鳩の智子さんをいじめる3人娘と、WAのマナ先輩の友達よりは目立っていると思うな」
「本当に…?」
「……」

 会話が途切れてしまった二人だった…。

そのにだって。

「ねえ、由紀ちゃん?」
「なに?」
「私たち、香奈子ちゃんと同じくらい出番があるのに、いまいち、名前が知られていないよね?」
「うーん、そういえば、生徒会女子の有志のみで結成される電波部隊(?)でリーフファイトに出たのも、香奈子だけだし…」
「やっぱり、私たちって、『グ○コのおまけ』みたいなものなのかな…」
「……」

 やはり会話が止まる二人だった…。


 ちょっと一言。

 しゃべり方については、由紀が明るくておちゃらけ、美和子が気弱で赤面症ということなので、ピーンときたのが、某メモのコアラ娘&特製ヘルメット(爆)の友達設定の二人だったので、そこから持ってきました。俺が以前これにハマったとき、好感度一位ヘルメット、二位コアラ娘(写真判定)だったので、そういう意味でも良いかな(^▽^;。

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