まじかる☆アンティーク SS

ひ・み・つ♪


 スフィー姉さんを追いかけて。追いかけて。追いかけてぇ〜雪国〜♪ へ行ってしまって。
 イワトビペンギンを拉致したり、様々なところでちょっと盗人まがいなことをしながら食料を頂いたりなんかして……紆余曲折あってやっと辿り着いた日本。
 そこで窓越しに見たのは……。
 すごく幼くなってしまった姉さんの姿でした。

 ね、姉さん……。
 そんな、そんな……。

 そんならぶりぃ〜〜なお姿に!!

 姉さん激ラブですっ! 可愛すぎますぅっ!! リアンラブラブゲージマキシマム突破ですぅぅっ!!! 思わず鼻血も辞さないですぅぅぅっ!!!!
 あぁ……あまりの可愛さに思わず涙が……。
「姉さぁーーーーーん」
 思わず某アイドル声優応援団を彷彿させるような、だみ声で叫んでしまいました♪
 はしたないですね。言い直しましょう。
「……ねえ……さ……ん」
 あら? 

 ……くらっ……どさっ!!
 
 私は、そのあまりの可愛さに目眩がしてしまったのか、思わずその場で倒れ込んでしまいました。
 でも、起きあがれません。
 忘れてました。そのときは単純に体力も魔力も限界だったのです。



「いや、びっくりしたぜ。まさか倒れるとはな」
 !? あの姉さんの姿を見て卒倒しない人がいるのでしょうか?
 いや、いるわけがありません(反語)
「すいません。姉に会えてほっとしてしまって……」
 ホットどころか煮立ってるくらいです♪
 もう胸がドキドキして壊れそうです♪
 ……ほっとの意味が違うというのは即却下です♪
「……でも、落ち着いたみたいで良かったわ。ずいぶん苦労してきた様子だったから、心配しちゃった」
 と王道とも云えるエロゲーマニア必須スキルの一つ、ツルペタ2号(当然私が1号)。
 これで胸が大きかったら、本当にあ○さ2号だったのに……。
♪八時ちょうどの〜あ○さ2号でぇ〜……あ……閑話休題、ですね。
「苦労だなんて……そんなことは全然……」
 姉さんのあんなお姿を見られただけでふっとんでしまいます♪
 極レアマニア向け姉さん写真集制作熱烈希望です♪
 もお、もお、21歳で今の躰! そこから醸し出す魅力を存分に発揮したものを……。
 ……はっ!?
 ま、またちょっと現実逃避してしまったようです。
「それにしても、なんであんたがここにいるの? リアンがこの世界に来るのはまだ先のことでしょ?」
 はぁぅ〜、そんな可愛い姿でそんなことを言わないで下さい〜〜。
 姉さんをてごめにするために決まってるじゃないですか♪
 ここに誰もいなかったら、今でも思わず抱きしめて、あーんなことや、こーんなことまでしてしまいそうで……ふふふふっ。
 はっ!?
 また少し精神が正直になってしまったようです……。気を付けないと暴走しますね。
「だって、姉さんがいなくなって……。私、寂しくて……」
 家にある姉さんの人形が……。
 ……。
 多くは語らないことにしましょう♪
「寂しかったからって、来られるものじゃないでしょ?」
「うん……でもおじいちゃんが……」
「そっか。おじいちゃんに、こっちの世界に送ってもらったってわけか……」
 コクン。
「おじいちゃん、リアンには甘いからなぁ」
 ちょっとおどしましたけど……首筋にナイフ当てちゃったりして、てへ♪
 ごめんなさい、リアンはいけない娘です。
 ……。
 でも、結果オーライですね♪
「で、いつからこっちに来てたの?」
「えっと、姉さんがいなくなった次の日……」
「そんなに前から!? ていうか、あんた一日しか我慢できなかったの?」
 だって、だって、だって……。
 私専用「姉さん抱き枕」なんかいなくなった夜、抱きしめた一秒後にもう使い物に……。
 あ、いけない。また語りそうになってしまいました♪
「だって姉さんが一緒にいないなんて初めてで……、不安だったんだもん……」
「不安だったからって……」
 あぁ……姉さん、その大きな汗も素敵♪
 ちなみに、姉さん以外の汗は不潔以外のなにものでもありませんけどね……。
 姉さんだからいいんです。
 姉さんだから、なんでもいいんです!!
「……でもリアン、その日から今日までは? 一体どこにいたの?」
「いろんなところです……。砂ばっかりの熱いところとか、真っ白で寒いところとか……」
 ?
 熱い?
 普通は暑い、と思うんだけど……。どうして口走ったのでしょう?
 ……。
 私じゃなくて、シナリ○ライターのせいですね♪
「さっきの子とは、その寒いところで出会ったの……」
「く、苦労したんだね……」
 あぁん、その汗……私に……。
 ……はっ。
 また暴走? 押さえて押さえて、リ・ア・ン♪
「ううん、姉さんを探すためだから、全然苦労なんて思わなかったよ♪」
 ううん、これほどの幸せはないです♪
 だって、姉さんに会えただけでも嬉しいのに、そんなお姿になってるなんて♪
 私じゃなくても萌えちゃいます♪
「……なあリアン、ちょっといいか?」
 ……神聖ともいえる姉さんとの会話に口をはさむ……。
 この方はそれがどれほどなのか、わかっていらっしゃらないようですね♪
 姉さんがいないところでお仕置きです♪
 でも、ここで会話をつながないと、姉さんに感づかれてしまいますよね。
「はい、なんでしょう?」
「リアンにも魔法があるんだろ? 魔法でスフィーの居場所を探すことは出来なかったのか?」
 これだから素人はっ!!(九品仏大志さん風に♪)
「もちろん魔法は使ったのですけど……、使える魔法の規模や回数には限度があるんです。魔法は万能じゃありませんから……」
「そうそう、無理をすると、あたしみたいな事になっちゃうしね」
 ううん、そんな事でいいの♪
 可愛い♪ 可愛い♪ 可愛い♪
「でも、姉さん、可愛くなったよね」
 はうぅっ!?
 つい本音を口走ってしまいました……。
 汗が噴き出してしまいそうです……っ。
「う〜ん、妹に可愛いって言われてもあんまり嬉しくないなぁ……」
 よ、良かった……。あまり気にしてないようで。
 さすが姉さん。ナイスタイミングでおおざっぱです♪
「じゃあ、あたしが言ってあげる。スフィーちゃん、と〜〜っても可愛いわよ♪」
 ○ずさ2号さん……。
 姉さんの可愛さ、可憐さ、愛らしさをたたえるなんて……。
 素晴らしいです!!
 あず○2号から、1号へ格上げです♪
「ですよね!?」
「最初見たときにはちょっとびっくりしたけど、今の姉さんも可愛くていいなあって思うんです」
「うんうん、わかるわかる! あたしなんて最初会ったときは抱きついちゃったもん♪」
 えっ!?
 今……なんて言ったのかしら?
 抱きついた?!
 なんてことを……、あの、あの、あの、姉さんの愛らしい御姿を抱きしめた!?
 う、羨ましい……ではなくて……許せません!!
 また○ずさ2号へ格下げです!!
「まぁ、そういう話はいいとしてだ」
 はっ?!
 いけない……。
 また暴走しそうでした……。
「なぁ。リアンも半年間、こっちの世界にいる事になるわけだよな?」
「あ、はい」
「その間、どこに住むつもりなんだ? やっぱりアテはないんだろ?」
「そうですね……。もし迷惑でなければ、姉さんと同じ家に住みたいんですけど……」
「じゃぁ、ウチか。俺としては別に構わな―」
 !?
 ね、ね、姉さんが……。
 男と一緒に暮らしてる!?
 こ、こんな可愛い姉さんと一緒に暮らしてる……。
 も、もしかして!!
『ぐへへ……可愛いねぇ……』
『や……やめ……いや……』
『おおっと、大声出すと、このナイフがさくっといくぜ……もっとも、俺の鋭いモノが別部分をさくっとやっちゃうがなぁ!! あーーっはっはっは!!』
 な、なんて羨ましい……じゃなくて!!
「ダメーーーっ!!」
 ……!?
「絶対ダメに決まってるでしょ!? こんな年頃の女の子が健太郎と一緒に暮らしたら、3日で妊娠3ヶ月よ!」
 や、やはり危険人物なんですね!?
「リアンちゃんをそんな危険にさらすわけにはいかないわ!」
 そう……じゃなくて、姉さんも危険ということになりますよね……。
 ううん、いけないわ!!
 たとえ私が犠牲になっても、姉さんの尊い操は私が守らなくては!!
 姉さんの操は、私のためにあるんだから!!
「えっと……。でも姉さんは健太郎さんと一緒に暮らしているんですよね?」
「あたしとしても、健太郎とスフィーちゃんが一緒に暮らしてるのは不本意なのよ。でもスフィーちゃんと離れると死んじゃうらしいから、しょうがなく許してやってるって感じなのよね」
 あの……。
 死んじゃってもいいんじゃないでしょうか?
 それで守ることが出来るんですけど……。
「誰も、おまえに許して欲しいなんて思ってないけどな……」
「ん? なんか言った?」
「いや、なんにも……」
 私は絶対に許しませんけどね……。
 やはり、姉さんは私が守りきらないといけないようです。
「あの……。それじゃ私の住むところが……」
「ウチに住むといい」
 !?
「泰久さん」
「お父さん、ずっと聞いてたの?」
「いや、今さっき様子を見に来たところだよ」
「この娘はスフィーちゃんの家族なんだろう? だったら問題ないさ。ウチなら歓迎するよ」
 うーん……。

 姉さんと一緒に暮らす→当然あの男を引き離す→男死亡→死者復活まで使った→すなわち一生懸命だった→それを無下にしてしまう→ひどい妹!?

 ううん、ばれなければいいの!!
 ……でも、あの輪を付けている以上、ずっと付き添うようにいるはずだし……。
 ……つきそう……。
 はっ!?
 いけません……またあらぬ想像をしてしまったようです。
 頭を冷やす意味でも、このお話はのんでおいた方が良さそうですね。
「あの……、本当にいいんですか?」
「もちろん。君が良ければだけどね」
「あ、はい。ぜひお願いしたいです」
「じゃ、決まりだ。結花も、かまわないんだろ?」
「もちろん! 父さんが言い出さなかったら、あたしがそう言おうと思ってたから」
「結花さん……。ありがとうございます」
「ここなら健太郎の家からも近いし、いつでもスフィーちゃんに会えるわよ」
「……はいっ」
「というわけで、これからもよろしくね、リアン」
「あ、こちらこそよろしくお願いします」

 くすくす。
 私がこんなことを思っているなんて、誰も思っていないでしょうね。
 あ……。
 これは、あなたと私だけのひ・み・つ、ですよ♪

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